先日クライアント様からいただいた動画の編集案件の中で
どうしてもカット出来ない部分に入っていた「カチッ」というノイズがありました。
そこでPremiere Proのオーディオエフェクト「ノッチフィルター」を使って
対応した体験をシェアします。
発生したノイズの状況
話し手さんが話をしている最中に爪がピンマイクに当たってしまい
「カチッ」というクリック音のようなノイズが入っていたのですが
話をしている内容が動画の流れ的にカットが出来ないポイントで
ノイズの音は割と大きく波形上でも目立つものでした。
ノッチフィルターでの対応方法
Premiere Proのオーディオエフェクト「ノッチフィルター」は
特定の狭い周波数帯だけをピンポイントでカットできるツールです。
しかし、今回のようなノイズの周波数が波形だけでは分かりにくく
最初はどの周波数をカットすれば良いか悩みました。
そこでノイズの種類(爪のクリック音)を調べて
一般的に2000Hz〜6000Hzあたりの高音域に出やすいことを参考に調整。
何度か試行錯誤しながら、ノッチの周波数とQ値(幅)を調整して
ノイズだけを削ることができました。
編集のポイントと感想
話し中のノイズはカットできないケースが多かったので
今回このノッチフィルターでのピンポイント除去を知って目から鱗でした。
話の流れを遮らず、話し手さんの声の周波数以外の部分でノイズを大幅にカット出来たので
条件次第ではあるもののとても有効な手段だと感じました。
今回のノイズに関してもクライアントさんから納品後に何も指摘がなかったので
「何も言われない=良い仕事をした証拠」と感じています。
ノッチで対応できる可能性が高いノイズ一覧
今後の参考として、よく発生するノイズの一般的な周波数を調べて
一覧にまとめてみました。
ノイズの種類 | 代表的な周波数帯(Hz) | コメント |
---|---|---|
今回のような爪が当たった音 | 2000〜6000 | 高音域の狭い帯域なのでピンポイントで除去しやすい |
電気的な「ブーン」低周波ノイズ | 50〜60 | 低音の狭い帯域。国によって周波数は異なることもある |
ドン!とした低めの打撃音 | 100〜300 | 低音域だが帯域が狭めならノッチで対応可能。ただし広がる場合は難しい |
機器のケーブルや衣服のこすれる細かいクリック音 | 2000〜5000 | 高音域中心のピンポイント音ならノッチで効果あり |
ノッチ使用のポイント
人の声帯域(約80Hz〜3000Hz)を避けて、ノイズの出ている周波数だけを狙う
広範囲にわたるノイズはノッチだけで除去が難しいので
ノイズリダクションやEQ調整と併用がおすすめです
まとめ
今回は少しニッチなノイズ対策、ノッチフィルターに関して紹介させていただきました。
今回のようなピンマイクに爪が当たったクリック音は
カットできない場面でもPremiere Proのノッチフィルターでうまく対応できます。
ノッチは特定の周波数を狙って音を削るので、正しい周波数帯を見つけることが重要です。
同じような悩みを持つ動画編集者の方は、ぜひ試してみてくださいね。
コメント